The story of Turquoise

The story of Turquoise

ターコイズ(トルコ石):12月の誕生石。宝石言葉:「成功・繁栄・強運」。トルコの商人がヨーロッパに貿易品として持ち込んだことから、トルコ石と呼ばれるようになったと言われている。宝飾用として用いられた最も古い宝石のひとつで、紀元前5500年頃の古代エジプトの墓からターコイズが見つかっている。その後、ターコイズは邪気を退け、持ち主を守る護符としてなど、古今東西において神聖な力の宿る石として崇められてきた。

ターコイズの神秘の力を物語る逸話がある。ハプスブルク家の神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の従医アムセルムス・デ・プートは「人からもらうとその効力を発する石」という色褪せたターコイズを父からもらい、印章として大切に持っていた。1ヶ月もすると色が美しいブルーに変化したことに気づいた。そしてその直後から不思議な出来事が起こる。
ある日乗っていた馬車が転倒、デ・プートは地面に叩きつけられたにもかかわらず無傷だった。そして身代わりであったかのように、ターコイズが1/4欠けていることに気づいた。
またある日、重い棒を担ぐ仕事をしていると、脇腹に激痛が起こり骨が折れたような音を聞くがこの時も彼の身体に異常はなく、今度はターコイズが半分に割れていたと、彼の著書「宝石の歴史」に綴っている。

色を変えることで持ち主に異変を知らせるとも言われるターコイズ。熱や汗で変色しやすいその性質から、身につける人の体温にも敏感に反応することが関係しているという科学的に説明できるらしいから、古代からお守りとして崇められてきた理由にも頷ける。ターコイズ・・・その大空の色に人々は希望や夢を重ね、広大なロマンにエネルギーを感じる。それは確かに人類に寄り添い続ける聖なる石なのである。

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